治療案内 [医科]Medical Clinical Departments

肛門外科

肛門外科とは

肛門は、便を体外に排出する大切な器官です。肛門の内部には便の排出をコントロールする括約筋や、血液を送る静脈が豊富にあり、複雑な構造をしています。肛門の病気は、この静脈の腫れ(痔核)、粘膜の裂傷(裂肛)、肛門周囲の感染(痔瘻)など、様々な形で現れます。
肛門外科では、これらの病気を専門的に診断・治療します。痔核は肛門の静脈が腫れて起こる病気で、出血や痛み、脱出などの症状が現れます。裂肛は排便時の強い痛みと出血が特徴で、慢性化すると日常生活に大きな支障をきたします。痔瘻は肛門の周りに膿がたまって穴ができる病気で、適切な手術が必要です。
これらの病気は早期発見・早期治療が重要です。各種検査で詳しい診断を行い、症状に応じた適切な治療法を選択します。手術が必要な場合でも、できるだけ負担の少ない方法を選び、早期の回復と社会復帰を目指します。

対象のお悩み

  • ・便に血がつく
  • ・お尻が痛い、痔(じ)が悪い

当院で行う肛門外科の治療内容

痔核(いぼ痔)治療

痔核は肛門の静脈が腫れて起きる病気です。静脈の腫れは、便秘や下痢、長時間の座位など、様々な原因で引き起こされます。症状は、出血、痛み、肛門からの脱出などで、段階によってⅠ~Ⅳ度に分類されます。
軽度の痔核では、まず便通を整えることや、軟膏や坐薬を使用して腫れをおさえる治療を行います。これらの治療で改善が見られない場合や、症状が強い場合には内痔核硬化療法(ジオン注)を検討します。この治療法は痔核の血流を減らして縮小させる方法で、一般的な手術と比べて痛みが少なく、入院期間も1泊2日と短くて済みます。

裂肛(切れ痔)治療

裂肛は肛門の粘膜に裂け目ができる病気です。硬い便による粘膜の損傷や、肛門の血行不全が原因となって起こります。特に排便時の強い痛みと出血が特徴的で、痛みのために便秘が悪化するという悪循環に陥りやすい病気です。初期治療では軟膏による治療と共に、便を柔らかくする薬の服用や生活習慣の改善を行います。これらの治療で改善が見られない場合は、手術を考慮することがあります。治療後は再発を防ぐため、食事内容の見直しや適切な排便習慣の指導も行っています。

痔瘻(あな痔)治療

感じ、座ることも困難になります。その後、膿が出る穴ができ、下着が汚れたり不快な臭いを感じたりします。放置すると膿が広がって高熱が出たり、新たな穴ができたりするため、発見次第、速やかな治療が必要です。

主な検査内容

肛門外科関連の検査

  • ・肛門鏡検査(肛門の中を観察)
  • ・血液検査(炎症反応や貧血の確認)
  • ・骨盤部CT検査(肛門周囲の状態確認)
  • ・超音波検査(肛門周囲の状態確認)

対象の診療科

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