治療案内 [医科]Medical Clinical Departments

禁煙外来

禁煙外来とは

禁煙外来とは、たばこをやめたい方のために設けられた専門外来です。2006年から健康保険が適用され、喫煙を単なる習慣ではなく「ニコチン依存症」という病気として治療を行います。
たばこに含まれるニコチンは、吸入後わずか7~20秒で脳の中脳腹側被蓋野に到達し、ドーパミンの放出を促します。これにより一時的な快感が得られ、強い依存状態となります。また、長期の喫煙は肺がんや心臓病など、さまざまな病気のリスクを高めます。
専門医による診察と禁煙補助薬による治療、専門スタッフによる生活指導を組み合わせることで、より確実な禁煙を目指します。自力での禁煙成功率が約10%であるのに対し、禁煙外来での治療では約65%と高い成功率を実現しています。

対象のお悩み

  • ・たばこをやめたい
  • ・禁煙に何度も失敗している
  • ・健康診断で禁煙を勧められた
  • ・家族から禁煙を求められている
  • ・妊娠を機に禁煙したい
  • ・手術前に禁煙が必要
  • ・呼吸器の症状が気になる
  • ・体調改善のために禁煙したい

当院で行う禁煙外来の治療内容

禁煙治療プログラム

標準禁煙プログラムとは、12週間で計5回の診察を行う治療です。初回の診察では詳しい問診と検査を行い、治療方針を決定します。
治療には主にニコチンパッチを使用し、体内のニコチン濃度を徐々に下げていきます。また、定期的な診察で禁煙状況を確認しながら、離脱症状への対処方法や生活習慣の改善についても指導します。当院では予約制で診療を行っています。
また、2020年からは禁煙治療用アプリやCOチェッカーも保険診療で利用可能となり、より手厚いサポート体制を整えています。かかりつけ医の場合は全5回の診察をオンラインで受けることもできます。

禁煙カウンセリング

禁煙カウンセリングとは、禁煙に伴う心理的な問題に対応する治療です。医師、看護師が患者さんの喫煙背景を理解し、個別の状況に合わせた支援を行います。
カウンセリングでは、禁煙のコツやストレス対処法、新しい生活習慣の確立方法などを具体的に説明します。特に重要な離脱症状(イライラ、不眠、食欲増進など)への対処方法については、詳しい指導を行います。
喫煙には身体的依存・習慣依存・心理的依存の3つの依存があり、それぞれに適切な対応が必要です。研究によると、新しい習慣の定着には平均66日かかるとされており、12週間の治療期間中にこれらの依存から脱却できるよう支援します。

呼吸機能改善治療

呼吸機能改善治療とは、喫煙による呼吸器への影響を評価し、改善を図る治療です。喫煙は気道の炎症や酸化ストレスを引き起こし、肺の組織を傷つける原因となります。
治療では、定期的な呼吸機能検査や一酸化炭素濃度測定で状態を評価します。必要に応じて胸部レントゲン検査やCT検査も実施し、喫煙関連疾患の早期発見にも努めます。慢性閉塞性肺疾患(COPD)などが見つかった場合は、呼吸器内科と連携して治療を行います。
禁煙により呼吸機能は徐々に改善し、せきや痰の減少、息切れの改善が期待できます。また、運動耐容能の向上や日常生活の質の改善にもつながります。

主な検査内容

喫煙状況の評価検査

  • ・ニコチン依存度テスト(TDS)(喫煙への依存度を評価する問診)
  • ・呼気一酸化炭素濃度測定(禁煙の効果を確認する検査)
  • ・ブリンクマン指数評価(喫煙による影響を評価する指標)
  • ・禁煙準備状態の評価(禁煙への意欲や準備状態を確認)

呼吸機能検査

  • ・スパイロメトリー(呼吸機能を測定する検査)
  • ・呼気NO濃度測定(気道炎症の程度を評価)
  • ・胸部レントゲン検査(肺の状態を確認する撮影)
  • ・必要に応じて胸部CT検査(肺の詳細な状態を確認)

一般検査

  • ・血圧測定(循環器系への影響を確認)
  • ・体重測定(禁煙に伴う体重変化を管理)
  • ・尿検査(一般的な健康状態を確認)
  • ・呼吸音聴診(肺や気管支の状態を確認)

その他の検査

  • ・血液検査(全身の健康状態を評価)
  • ・動脈硬化度検査(血管の状態を確認)
  • ・心電図検査(循環器系への影響を確認)
  • ・口腔内診査(歯周病などの確認)

関連する診療科

  • ・禁煙外来

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