治療案内 [医科]Medical Clinical Departments

肥満外来

肥満外来とは

肥満外来とは、肥満やそれに伴う健康障害を診断・治療する診療科です。血液検査や体組成測定、心電図検査などの各種検査で身体の状態を詳しく調べ、主に食事療法と運動療法による治療を行います。また、生活習慣の改善や必要に応じた薬物療法も含めて、全身的な治療を進めていきます。
検査と治療を組み合わせることで、より正確な診断と適切な治療を行います。肥満症では、体重管理だけでなく、糖尿病や高血圧などの合併症の予防と治療も重要です。食事・運動療法を基本とした生活習慣の改善により、長期的な体重管理と健康維持を目指します。

対象のお悩み

  • ・体重が増えて気になる
  • ・食事制限をしても痩せない
  • ・生活習慣病の治療をしているが改善しない
  • ・睡眠時無呼吸症候群と診断された
  • ・健康診断でメタボリックシンドロームを指摘された
  • ・膝や腰に負担がかかっている
  • ・内臓脂肪が気になる
  • ・合併症の予防について相談したい

当院で行う肥満外来の治療内容

肥満症の診断・評価

肥満症の診断・評価とは、体重や体組成の測定、血液検査などを通じて、肥満の程度や健康障害の有無を確認する診療です。
肥満はBMI(体重kg÷身長m÷身長m)が25以上の状態を指し、これに糖尿病や高血圧などの健康障害を合併する場合を肥満症と診断します。特に内臓脂肪の蓄積は、様々な生活習慣病の原因となります。
診察では体重・体組成測定、腹囲測定、血圧測定に加え、必要に応じて血液検査、心電図検査、睡眠時無呼吸の検査なども行います。これらの結果に基づき、適切な治療方針を決定します。

食事療法指導

食事療法指導とは、管理栄養士と連携して個々の患者さんに合わせた食事プランを作成する治療です。
1日の適切なカロリー設定(標準体重×25kcal)を行い、栄養バランス(炭水化物50-65%、タンパク質13-20%、脂肪20-30%)を考慮した食事内容を提案します。食事記録をつけることで、食習慣の問題点を明確にし、改善策を具体的にアドバイスします。
治療では急激な制限は避け、必要な栄養素を確保しながら、無理なく継続できる食事方法を指導します。特に内臓脂肪を減らしながら筋肉量を維持することを重視します。

運動療法指導

運動療法指導とは、理学療法士と協力して個々の体力や健康状態に合わせた運動プログラムを作成する治療です。
有酸素運動(ウォーキング、水中運動など)を中心に、レジスタンス運動(筋力トレーニング)を組み合わせたプログラムを作成します。運動強度や時間は段階的に調整し、週150分以上の運動実施を目標とします。
治療では心拍数や血圧の変化を確認しながら、安全に運動を継続できるよう指導します。運動記録をつけることで、活動量の確認と目標達成をサポートします。

薬物療法

薬物療法とは、食事・運動療法を行っても十分な効果が得られない場合に検討する治療です。BMIが35以上の高度肥満や、BMIが27以上で複数の健康障害を合併する場合には、肥満症治療薬の使用を検討します。治療薬は食欲抑制や脂肪の吸収抑制などの作用により、減量をサポートします。治療では定期的な血液検査や体重測定を行い、効果と安全性を確認しながら慎重に進めていきます。

主な検査内容

体格・体組成検査

  • ・身長・体重測定(BMI算出)
  • ・体組成分析(体脂肪率、筋肉量、基礎代謝量の測定)
  • ・腹囲測定(内臓脂肪の評価)
  • ・インピーダンス法による体脂肪測定

血液・代謝検査

  • ・血糖値検査(空腹時血糖、HbA1c)
  • ・脂質検査(LDL・HDLコレステロール、中性脂肪)
  • ・肝機能検査(AST、ALT、γ-GTP)
  • ・腎機能検査(尿酸、クレアチニン)
  • ・甲状腺機能検査
  • ・その他の代謝関連検査

循環器系検査

  • ・血圧測定(起立時血圧を含む)
  • ・心電図検査(安静時12誘導心電図)
  • ・心臓超音波検査(必要時)
  • ・動脈硬化検査(脈波伝播速度、頸動脈エコー)

その他の検査

  • ・睡眠時無呼吸検査(ポリソムノグラフィー)
  • ・骨密度測定(DXA法)
  • ・内臓脂肪CT検査(必要時)
  • ・各種血液検査、尿検査

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