外科・消化器外科・肛門外科のお悩みMedical chief complaint

お尻が痛い、痔(じ)が悪い

お尻が痛くなる原因

痔核(いぼ痔)

肛門の静脈が腫れて起きる病気です。肛門の病気で最も多くみられます。静脈の腫れは、便秘や下痢、長時間の座位など、様々な原因で引き起こされます。初期段階では痛みをほとんど感じませんが、進行すると排便時の出血や違和感が現れます。さらに進むと血管が肛門から外に出て、座る時の痛みや強い出血に悩まされます。デスクワークや飲酒習慣のある人に多く、特に30~50代の働き盛りの年代で発症が増えます。

裂肛(切れ痔)

便秘による硬い便で肛門が傷つく病気です。20~40歳代の女性に特に多く見られます。肛門の血流が比較的少ない後ろ側に傷ができやすく、排便時にガラスの破片で切られるような鋭い痛みが走ります。この痛みは排便後も30分から1時間ほど続くことがあります。傷口からの出血も多く、トイレットペーパーに鮮血が付着します。下痢の刺激でさらに悪化するため、便通の管理が極めて重要です。

痔瘻(あな痔)

肛門の腺に感染が起きて膿が溜まり、穴ができる病気です。初期は肛門周辺の腫れと痛みを感じ、座ることも困難になります。その後、膿が出る穴ができ、下着が汚れたり不快な臭いを感じたりします。放置すると膿が広がって高熱が出たり、新たな穴ができたりするため、発見次第、速やかな治療が必要です。

診断と検査

医師は問診で症状の経過や生活習慣を詳しく確認します。肛門の診察では、視診で外からの状態を確認し、必要に応じて肛門鏡による検査を行います。この検査により、肛門内部の状態を詳しく調べます。

お尻が痛い際の治療法

生活習慣の改善と自己管理

食事療法では水分と食物繊維を十分に摂取します。野菜、果物、海藻類を毎食取り入れ、しっかり水分を補給します。朝食をしっかり摂ることで自然な排便リズムが作られます。
デスクワークの多い人は1時間に1回は立ち上がり、軽い運動を心がけます。腹筋運動や骨盤底筋体操も効果的です。排便時は5分以内を目安とし、スマートフォンを見ながらの長時間の排便は避けましょう。

基本的な治療

症状に応じて軟膏や痛み止めを処方し、必要に応じて便通を整える薬も使用します。肛門の痛みが強い場合は、座り仕事を避けたり、柔らかいクッションを使用したりする工夫も指導します。

専門的な治療

軽度の痔核では、まずは便通を整えたり軟膏や座薬による治療を行います。これらの治療で改善が見られない場合や、症状が強い場合には、手術を考慮します。当院では内痔核硬化療法(ジオン注射)を行っています。従来の手術より痛みや出血が少なく、入院も1泊2日と短いのが特徴です。
裂肛が慢性化して肛門が狭くなった場合や、痔瘻の場合は手術を考慮します。また、治療後の再発を防ぐため、食事療法や生活習慣の改善が欠かせません。

出血パターンと注意点

痔からの出血は鮮やかな赤色で、主に排便時に見られます。多くの場合、排便後には自然に止まりますが、40歳を過ぎてからの出血開始や、暗い赤色の出血、便に混ざった出血は大腸の病気の可能性があります。このような場合は早めに専門医の診察を受けましょう。

痔の症状と似ている主な病気

大腸・直腸の病気

大腸がんや直腸がんは、初期症状が痔と似ています。特に便に血が混ざる、排便習慣が変わる、便が細くなるなどの症状がある場合は注意が必要です。

感染症

肛門周囲膿瘍は細菌感染により、肛門の周りに膿が溜まる病気です。強い痛みと腫れがあり、発熱をともなうこともあります。クラミジアなどの性感染症も肛門周辺の痛みや出血の原因となります。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患でも、肛門周辺の痛みや出血が起こることがあります。下痢や粘液便、体重減少などもともないます。

皮膚の病気

湿疹やアレルギー反応による皮膚炎が、肛門周辺のかゆみや痛みを引き起こす場合があります。特に汗をかきやすい季節や、過度な清潔習慣による刺激で症状が悪化します。

神経系の問題

座骨神経痛や脊椎の疾患でも、お尻や肛門周辺に痛みを感じる可能性があります。この場合、姿勢による痛みの変化や、足へのしびれなどもともなう場合があります。

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