糖尿病内科のお悩みMedical chief complaint

HbA1cが良くならない

HbA1cが良くならない原因

食事直後の血糖値上昇

空腹時の血糖値が正常でも、食後数時間の血糖値上昇が続くとHbA1cは改善しません。血糖値の上昇は気づきにくく、知らぬ間に高血糖状態が持続します。食後高血糖は動脈硬化を進行させ、心臓病や脳卒中のリスクを高めます。特に主食を多く摂取した後や、糖質の多い間食を取った後に血糖値が急上昇します。また、食事の時間が不規則な場合も、血糖値の変動が大きくなりやすいです。

生活習慣の影響

HbA1cは過去1~2か月間の血糖値の平均を表すため、一時的な食事制限や運動では下がりません。運動不足や不規則な食生活により、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの働きが低下し、高血糖が続きます。また、肥満はインスリンの働きを妨げる要因となり、特に内臓脂肪の蓄積は血糖コントロールを難しくします。夜遅い食事や過食、アルコールの過剰摂取も血糖値の上昇を招きます。

糖尿病合併症の存在

動脈硬化や腎症などの合併症が進行すると、血糖値の管理が難しくなります。糖尿病神経障害は消化管の動きに影響を与え、食後の血糖値上昇を不規則にします。歯周病も血糖コントロールに影響を与え、炎症により血糖値が上昇しやすくなります。また、腎症の進行は薬物療法の効果にも影響を与えるため、早期発見と適切な治療が重要です。

環境やストレスの影響

睡眠不足や強いストレス、運動不足は血糖値を上昇させる原因となります。季節の変化や仕事の忙しさによって生活リズムが乱れると、血糖コントロールが難しくなります。寒冷期は運動量が減少しがちで、血糖値が上昇しやすくなります。また、ストレスホルモンの分泌増加は血糖値を上昇させ、食欲にも影響を与えます。

HbA1cが良くならない際の治療法

血糖値の継続的な管理

持続血糖モニタリングシステムを使用して24時間の血糖変動を把握します。このシステムにより、食事の内容や時間、運動、睡眠などが血糖値に与える影響を詳しく分析できます。HbA1c測定、ブドウ糖負荷試験なども定期的に実施し、詳細な血糖パターンを確認します。これらの検査結果から、個々の生活パターンに合わせた最適な治療方針を決定します。血糖値の変動が大きい時間帯や、生活習慣の問題点を特定し、改善策を具体的に提案します。

専門家による総合的な治療

糖尿病内科の専門医が中心となり、看護師、管理栄養士と連携して治療を進めます。糖尿病の薬物療法に加え、高血圧や脂質異常症など関連する疾患の治療も並行して行います。少人数での糖尿病教室では、食事療法の実践的なアドバイスや、運動療法の具体的な方法を学びます。また、自己血糖測定の手技指導や、低血糖への対処方法なども丁寧に説明します。継続的な治療をサポートするため、定期的な診察と検査を行い、治療効果を確認しながら必要な調整を行います。

合併症の早期発見と治療

定期的な神経伝導速度検査では、末梢神経障害の進行度を評価します。腎症検査では尿中アルブミンや腎機能を確認し、早期の段階で適切な治療を開始します。動脈硬化検査では、頸動脈エコーや脈波伝播速度測定を行い、血管の状態を詳しく調べます。歯周病科と連携した歯周病検査と治療も重要で、口腔内の健康管理が血糖コントロールの改善につながります。また、サルコペニアや骨粗鬆症の検査により、筋肉量や骨密度の低下を防ぎ、運動療法の安全性を確保します。

HbA1cと関連する主な疾患

糖尿病性腎症は腎臓の機能が徐々に低下する合併症で、早期発見と治療が重要です。糖尿病性神経障害は手足のしびれや痛みを引き起こし、日常生活に支障をきたすことがあります。糖尿病性網膜症は視力低下の原因となり、定期的な眼科検査が必要です。動脈硬化症は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めます。高血圧症や脂質異常症は動脈硬化を促進するため、適切な管理が必要です。歯周病は血糖コントロールを悪化させる要因となるため、定期的な歯科受診が重要です。

対象の治療方法

  • ・持続血糖モニタリングシステムによる24時間の血糖値管理
  • ・少人数制の糖尿病教室での実践的な生活指導
  • ・各種合併症の定期検査と早期治療
  • ・経口血糖降下薬やインスリンによる薬物療法の調整
  • ・運動療法と食事療法の個別指導

対象の診療科

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