治療案内 [歯科]Dental Clinical Departments

スリープスプリント

スリープスプリントとは

睡眠時無呼吸症候群と診断されたとき、歯科クリニックで行うのがスリープスプリントを使った治療です。スリープスプリントはマウスピースのことですが、残念ながらすべての人にこの治療が適応になるというわけではありません。歯が少ない人や鼻づまりがあって鼻呼吸ができない人などは適用できません。

スリープスプリントを使用すれば、舌が持ち上げられるため気道の確保がしやすくなります。これにより呼吸がしやすくなって、睡眠時無呼吸症候群の改善が可能です。

スリープスプリントは保険適用のものと、自由診療のものがあります。当院では患者さんの希望にあわせたスリープスプリントの作成が可能です。何かありましたら気軽にご相談ください。

まずは、スリープスプリント治療の適用となる睡眠時無呼吸症候群について解説します。

睡眠時無呼吸症候群の定義

睡眠時無呼吸症候群の診断基準は次の通りです。

  • ・睡眠中に呼吸が10秒以上停止する(無呼吸)
  • ・1時間あたり5回以上呼吸が弱くなる(低呼吸)
  • ・熟睡できず、起きている時間に異常な眠気を催す

睡眠時無呼吸症候群は、眠りが浅いレム睡眠時だけでなく深い眠りのノンレム睡眠時にも起こるのが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群は肥満の人だけでなく、暴飲暴食をする人や頻繁に飲酒・喫煙をしている人、睡眠薬を常用している人、働きすぎな人にも起こります。肥満や骨格は関係なく、睡眠時無呼吸症候群は起こるため、生活習慣の乱れを自覚している人は特に注意して対策しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

睡眠時無呼吸症候群の主な症状は次の通りです。

寝ているときの症状

  • ・大きないびきをかく
  • ・いびきが止まったあとに、大きな呼吸をする
  • ・呼吸が乱れたり止まったりする
  • ・息苦しそうにする
  • ・夜中に何度も目を覚ます
  • ・寝汗をかく

起きたときの症状

  • ・頭痛がする
  • ・口が渇いている
  • ・すっきり起きられない
  • ・疲れが取れていない
  • ・身体が重い

起きているときの症状

  • ・日中の強い眠気
  • ・だるさ、倦怠感
  • ・集中力・注意力の低下
  • ・いつも疲労感がある

このような症状があり、日常生活に影響を及ぼしているときは早めの受診が必要です。当院では睡眠時無呼吸外来があり、内科と歯科が連携して治療を行います。気になる症状があれば外来を受診しましょう。

睡眠時無呼吸症候群の主な合併症

睡眠時無呼吸症候群は日常生活に影響を及ぼしてQOLを低下させるだけではありません。睡眠の質が低下してストレスや寝不足が続くことや、酸素をうまく取り込めないために、さまざまな健康リスクが上昇します。

  • ・高血圧
  • ・心不全
  • ・不整脈
  • ・心筋梗塞
  • ・糖尿病
  • ・脳卒中

このように睡眠時無呼吸症候群は、このような病気のリスクを高めることが分かっています。命に関わる病気もあるため、早期発見と早期治療が大切です。

対象のお悩み

  • ・口がかわく
  • ・いびきが気になる

当院で行うスリープスプリントの治療内容

スリープスプリントは、専用のマウスピースを作ります。就寝時に下顎を少し前の方で突き出させるように固定できる専用のマウスピースを装着して寝ることで、のどの気道を確保します。スリープスプリントで舌を持ち上げるため、呼吸がしやすくなり、いびきが解消します。

睡眠時無呼吸症候群の診断があれば、保険適用でマウスピースを作成できます。ただし、歯を固定源とするため、歯の残存数が20本以下の方には適用できません。また、鼻の通りが悪い人や、こうした装置をつけると眠りが浅くなってしまうような眠りが浅い方も適用外です。このような場合は、別の方法で睡眠時無呼吸症候群を改善します。

スリープスプリント治療のメリット・デメリット

スリープスプリント治療は以下のようなメリット・デメリットがあります。治療を検討しているときは、メリットとデメリットを理解しておきましょう。

メリット

スリープスプリントのメリットは次の通りです。

  • ・保険診療では費用を抑えてマウスピースが作れる
  • ・CPAPより治療を継続しやすい
  • ・コンパクトで旅行先にも持ち運びしやすい

スリープスプリントのメリットは、睡眠時無呼吸症候群の診断を受ければ保険診療を受けられます。また、CPAPよりも治療を継続しやすいため、治療効果がアップします。コンパkとで持ち運びしやすいため、旅行や出張などでも治療を継続しやすいでしょう。

デメリット

スリープスプリントのデメリットは次の通りです。

  • ・残存している歯が少ない場合は本治療を受けられない
  • ・顎関節症や不正咬合がある場合も治療を受けられない
  • ・着用時に違和感や不快感があることがある
  • ・慣れるまでに時間がかかる

前述の通り、スリープスプリントは残存している歯が少ない場合やかみ合わせなどに問題があれば治療を受けることができません。また、つけはじめの頃は症着磁に違和感や不快感があることもあります。慣れるまでに時間がかかるため、神経質な人には不向きです。

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