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歯周病で溶けた骨を再生したい
歯周病などで歯を支える骨が失われてしまうと、歯の安定が損なわれ、日常生活に支障をきたすことがあります。そんな中、近年注目されているのが「歯周組織再生療法」です。失われた骨(歯槽骨)などの歯周組織を再生することで、歯の健康を取り戻せることが期待できます。歯周組織再生療法について解説しています。
歯周組織再生療法とは?
歯周組織とは、歯を支える重要な組織である歯ぐき(歯肉)、セメント質、歯根膜、歯槽骨のことで、歯周組織再生療法とはこれらの歯周組織を回復させる療法です。歯周組織再生療法は外科的手術が必要になります。歯ぐきを切開し、歯の表面に歯周組織の再生を誘導する薬剤や材料を塗布したり、再生を誘導する膜などを設置したりすることで、歯周組織が回復することを期待します。一方で全ての症例で適応になるわけではありませんので、必ず専門科での診断を受けてください。
この治療法は、歯周病の重症度によっては治療法の選択肢のひとつとなります。また、インプラント治療を行う前の骨量増加にも活用されることがあります。再生のメカニズムは、体内の自然な回復力を活用したもので、外科的な処置が必要です。歯周組織再生療法は、近年、技術や材料の進歩により成功率も高くなっています。
歯周組織再生の治療方法
- 1.エナメルマトリックスデリバティブを応用した方法エナメルマトリックスデリバティブ(エムドゲイン)と呼ばれるタンパク質を使った再生療法です。この物質を歯根表面に塗布することで、歯周組織が自然な形で再生されるよう促します。
- 2.GTR法GTR法は、特殊な組織誘導膜(GTRメンブレン)を歯と歯ぐきの間に設置することで、歯周組織の再生を促す治療法です。
- 3.トラフェルミンを応用した方法トラフェルミン(リグロス)は、ヒト遺伝子組み換え技術でつくられた成分を含む薬剤です。歯周組織の回復に関わる細胞を増殖させる働きがあります。リグロスによる歯周組織再生療法は、保険適用される場合もあります。
- 4.骨移植患者さんご自身の骨や人工の骨を移植することで、歯周組織の再生を促す方法です。
歯周組織再生療法のメリット・デメリット
メリット
- 抜歯を回避できる可能性がある歯周組織再生療法によって歯を支える組織が回復することで、抜歯を回避できる可能性があります。
- 歯のぐらつきが改善する歯周組織が回復し、歯のぐらつきが改善する可能性があります。その結果、しっかりと噛めるようになります。
- インプラント治療骨の再生が不十分でインプラントが難しいとされた場合、歯周組織再生療法で骨を増やすことが実現できれば、インプラント治療が可能になることがあります。
- 保険適用となる場合がある使用する薬剤によっては保険適用となり、費用を抑えて治療ができる場合があります。
デメリット
- 費用が高額になることがある保険適用外の薬剤や材料を使用する場合、費用が高額になる可能性があります
- 成功率には個人差がある患者さんの歯周病の程度や全身の健康状態によっては、歯周組織が十分に回復しない場合もあります
- 手術が必要外科的処置をともなうため、身体的負担は大きい
歯周組織再生療法を検討する場合の注意点
- ・事前の診断が重要歯周組織再生が可能かどうかは、歯周病の進行度や歯周組織の状態により異なります。事前に、歯科医師による適切な診断を受けることが大切です。
- ・禁煙をする喫煙は血流を悪化させ、歯周組織の再生を妨げる原因となります。歯周組織再生療法を検討する場合は、治療後も含めて禁煙を徹底する必要があります。
- ・健康状態の確認糖尿病や骨粗鬆症などの全身疾患がある場合、歯周組織の再生に影響を及ぼす可能性があります。全身状態を把握するため、血液検査を実施します。
- ・定期管理が不可欠歯周組織再生療法が成功したあとも、歯周病の再発を防止するために、定期的な歯科検診やクリーニングなどが必要です。
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