睡眠時無呼吸外来のお悩みMedical chief complaint

運転時の眠気

 

運転時の眠気の原因

   

睡眠時無呼吸症候群による影響

睡眠中に10秒以上の呼吸停止を繰り返すため、深い睡眠が得られないのが睡眠時無呼吸症候群です。一晩に30回以上、または1時間に5回以上の呼吸停止があると診断されます。 睡眠時無呼吸症候群になると、運転中に突然強い眠気に襲われ、集中力が低下して事故のリスクが高まります。高速道路や郊外の直線道路では単調な運転が続くため特に危険です。また、渋滞時の低速運転中も注意力が低下しやすく、追突事故などを起こしやすくなります。 車の運転では、周囲の状況を把握し、瞬時に判断して対応する必要があります。しかし、睡眠時無呼吸症候群による眠気は、信号の見落としや車間距離の判断ミス、反応の遅れなど、重大な事故につながる危険性があります。 この症状は自分では気付きにくく、日本では約300万人の潜在患者がいます。また放置すると高血圧や心臓循環障害、脳血管障害などの合併症を引き起こすリスクがあります。2014年に施行された自動車運転死傷行為処罰法により、睡眠時無呼吸症候群と診断されながら必要な治療を受けずに事故を起こした場合、厳しい処罰の対象になります。

薬の副作用による影響

風邪や花粉症の治療で服用する抗ヒスタミン薬には眠気を引き起こす副作用があります。この場合、運転は控えめにしましょう。眠気の少ない薬も開発されているため、医師に相談を。運転が必要な場合は、医師の指示に従います。 また、市販の風邪薬や花粉症の薬でも、眠気を引き起こすものがあります。薬を服用する際は必ず説明書を読み、運転や機械操作への影響を確認してください。眠気を感じる場合は、公共交通機関の利用や運転代行サービスの利用を検討しましょう。

生活習慣による影響

過労や不規則な生活習慣、深夜の運転などで眠気を感じやすくなります。居眠り運転の違反点数は、安全運転義務違反が2点なのに対し、過労運転は25点と重い処分です。 特に長距離運転や夜間の運転では、休憩を適切に取ることが重要です。運転開始後2時間を目安に15分程度の休憩を取り、4時間以上の運転は避けましょう。また、午後2時から4時頃は眠気を感じやすい時間帯なので、可能な限り運転を避けることをおすすめします。

睡眠時無呼吸症候群の症状

主な症状

  • ・大きないびきをよくかく
  • ・睡眠中に呼吸が止まると指摘される
  • ・日中、会議中や運転中に強い眠気に襲われる
  • ・しっかり寝ても日中眠い、体がだるい、やる気が出ない

症状の特徴

大きないびきは部屋の外まで聞こえるほどの音量になります。また、呼吸が止まる時間は10秒以上続き、家族に指摘されて初めて気付くことが多いです。日中の眠気は、仕事中の会議や運転中など、危険な状況でも抗えないほど強く襲ってきます。 これらの症状が一つでもあてはまる場合、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。特に運転中の強い眠気は重大な事故につながる可能性があるため、早めの受診が必要です。

運転時の眠気への対処法

   

専門医による診断

運転中に強い眠気を感じる方は、まず医療機関の受診を。当院の睡眠時無呼吸外来では、睡眠検査(簡易検査、ポリソムノグラフィー検査)により、睡眠時無呼吸症候群の診断を行います。 診察では、睡眠の状態や日中の眠気について詳しく問診します。家族から見た睡眠中の様子も重要な情報となるため、可能であれば一緒に受診することをおすすめします。

睡眠検査の流れ

簡易検査では、手指にセンサーを装着して無呼吸による低酸素状態を診断し、鼻に呼吸センサーを装着して気流やいびきを測定します。この検査は自宅で行え、普段通りの睡眠をとりながら測定できます。 必要に応じて病院での精密検査(PSG検査)も実施します。脳波や心電図、呼吸状態など、より詳しい測定を1泊2日で行います。多くの医療機関では、仕事への影響を考慮し、夜に入院して朝に退院できるよう配慮しています。

CPAP治療

マスクから鼻に空気を送り込み、気道を確保します。健康保険が適用され、一般的な月額費用は3000〜5000円です。治療開始から数日で日中の眠気が改善し、運転への影響も軽減します。

口腔内装置による治療

マウスピースを使用し、いびきや無呼吸を予防します。軽症から中等症の方に適しています。

生活習慣の改善

肥満改善や禁煙指導を実施します。また、睡眠時の姿勢や寝具の選び方についてもアドバイスを行います。

治療後の経過

治療開始後は定期的な通院が必要です。CPAPの場合、機器の使用状況や治療効果を確認し、必要に応じて圧力の調整を行います。また、マウスピースも定期的な調整が必要です。

一時的な対処法

運転中に眠気を感じたら、以下の対策を取りましょう。

  • ・仮眠を取る
  • ・車を安全な場所に停車して体を動かす
  • ・顔を洗う
  • ・ストレッチを行う

これらの対処法は一時的なものです。根本的な原因治療が必要な場合は、すみやかに医療機関を受診しましょう。

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