よく噛める入れ歯にしたい

入れ歯の噛み心地や使い心地は、入れ歯の素材や日常の管理が大きく関係します。ここでは、よく噛める入れ歯にするためのポイントをご説明します。

精密な型取りが重要

入れ歯の製作において、最も重要な工程のひとつが「型取り」です。入れ歯が口腔内にぴったりとフィットするかどうかは、型取りの精度にかかっています。精密な型取りを行うことで、入れ歯のズレが少なくなり、安定感が向上します。型取りの精度が低いと、噛む力が伝わりにくくなるため注意が必要です。

噛み合わせの調整

入れ歯がうまく噛めないと感じる原因のひとつに、噛み合わせの悪さがあります。噛み合わせが安定していないと、食事の際に歯にかかる力が均一にならず、入れ歯が動いてしまうことがあります。入れ歯の装着後も調整が必要になるため、歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。

材質の選択

入れ歯の材質にはプラスチック製、金属床義歯などがあります。プラスチック製の入れ歯は費用が安く抑えられる一方で、強度を保つための厚さが必要となり、噛む力が落ちるとされています。保険適用外となりますが、金属床の入れ歯は強度が高く、薄く作ることができるため、安定性が高いのが特徴です。したがって、よく噛める入れ歯を得るには材質選びも重要になります。

口腔内の健康管理

入れ歯の安定性には、歯ぐきや残った歯の状態も大きく関係します。歯ぐきが痩せると入れ歯が合わなくなるため、口腔内の健康を保ち、歯ぐきや歯の健康を維持することが重要です。とくに、歯周病は歯ぐきに大きな悪影響を与えるため、定期的に歯科健診を受け、予防や治療を適切に行うようにしてください。

入れ歯にはさまざまな種類があり、自分の口腔内の状態やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。

部分入れ歯

部分入れ歯は、残っている健康な歯を支えにして装着する入れ歯です。歯にかける部分には、保険適用となる金属のバネ（クラスプ）を使用する場合が多いですが、最近ではクラスプが見えないノンメタルクラスプデンチャーも普及しています。

総入れ歯

総入れ歯は、歯が1本も残っていない場合に装着する入れ歯です。安定感は歯ぐきの形の影響を大きく受けるため、定期的に歯科医院で調整することが必要です。

入れ歯が噛めない、がたつくといったトラブルは珍しくなく、このような場合は何らかの入れ歯の不具合、歯や歯ぐきの状態の変化が生じている可能性が高いと考えられます。

入れ歯ががたつく

入れ歯ががたつくときに考えられる原因は、入れ歯の劣化、噛み合わせのずれ、歯ぐきの変化などです。このような場合、歯科医院での入れ歯の調整や修理が必要となります。また、歯ぐきの変化が歯周病などによって生じている場合は、適切な治療を受ける必要があります。

入れ歯が痛い

入れ歯があたって痛い場合は、入れ歯の一部が歯ぐきを圧迫していたり、擦れて傷になっている可能性があります。痛みを感じる場合は、なるべく早めに歯科医院で入れ歯を調整するようにしてください。

入れ歯で食べものが噛めない

入れ歯で噛めないと感じる場合は、噛み合わせの不具合や入れ歯のずれが原因として考えられます。入れ歯のずれは、入れ歯の不具合のほか、唾液の減少などでもしばしばみられます。この場合も歯科医院を早めに受診し、入れ歯の調整や修理などを行うようにしましょう。唾液の分泌量は唾液のマッサージで改善する場合があります。入れ歯で食べものが噛めないと感じている場合には、その原因も含め、適切に歯科医院で診断や処置を受けることが重要です。

入れ歯は天然の歯と比較すると、どうしても噛める力は劣ってしまいます。「よく噛めるようにしたい」と考えている方には、インプラント治療もおすすめしています。インプラントはチタン性のネジ状のもの（インプラント体）を顎に埋め込み、それを土台に人工の歯を固定する方法です。インプラントは手術が必要になり、自費診療のため費用も高額になりますが、安定性が非常に高く、天然の歯と変わらない噛む力を得られることが期待できます。