耳鼻咽喉科のお悩みMedical chief complaint

鼻が痛い、鼻の奥が痛い

鼻が痛くなる原因

感染症による炎症

鼻腔内は粘膜で覆われた空洞構造をしています。風邪やインフルエンザなどのウイルス感染で粘膜が炎症を起こすと、鼻の奥に痛みや圧迫感が生じます。冬場は乾燥で粘膜が弱まりウイルスに感染しやすくなります。感染初期は透明な鼻水が出ますが、症状が進行すると細菌感染を併発し、黄色や緑色の鼻水をともないます。上気道を中心とした感染症は耳鼻咽喉科での診療が必要です。

副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻の周りには副鼻腔と呼ばれる空洞が複数あり、細い通路で鼻腔とつながります。風邪などをきっかけに副鼻腔に炎症が起きると、粘膜が腫れて通路が塞がり、膿がたまります。上顎の上にある上顎洞に炎症が起きると、頬の奥や歯に痛みが広がります。症状が長引くと慢性化し、頭痛や発熱をともない、重症化すると目や脳にまで影響が及ぶ場合もあります。当院の耳鼻咽喉科では副鼻腔炎の診断と治療を専門的に行っています。

アレルギー性鼻炎

花粉やハウスダストなどのアレルゲンに反応し、鼻の粘膜に炎症が起きます。体内に入ったアレルゲンを排除しようとする免疫反応で、くしゃみや鼻水、鼻づまりが出て、鼻の粘膜が腫れて痛みます。季節性では花粉の飛散時期に、通年性ではハウスダストにより年間を通して症状が現れます。当院ではスギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法も実施しています。

鼻の痛みの主な症状と特徴

鼻の痛みには以下のような症状が現れます。

  • ・鼻の奥のツーンとした痛み
  • ・頬の奥の痛みや圧迫感
  • ・鼻水(透明または黄色・緑色)
  • ・鼻づまり
  • ・くしゃみ
  • ・頭痛
  • ・発熱
  • ・嗅覚の低下
  • ・のどの痛み
  • ・目の周りの違和感

予防と日常生活での注意点

乾燥対策と環境管理

鼻の粘膜は乾燥に弱く、乾燥すると防御機能が低下します。室内の湿度管理が重要で、加湿器の使用や濡れタオルの設置で適切な湿度40~60%を保ちます。エアコンの使用時は特に注意が必要です。外出時はマスクを着用し、鼻の粘膜を保護します。

生活習慣の改善

十分な睡眠と栄養バランスの良い食事で免疫力を維持します。疲労の蓄積や睡眠不足は鼻の粘膜を弱めるため、規則正しい生活リズムを心がけます。喫煙は粘膜を傷めるため、禁煙が推奨されます。当院では禁煙外来も開設しており、禁煙のサポートを行っています。

適切な鼻のケア

鼻をかむ際は強い力をかけず、片方ずつやさしくかみます。強い力での鼻かみは副鼻腔に圧力がかかり、炎症を悪化させる可能性があります。清潔なハンカチやティッシュを使用し、使用後は必ず手を洗います。

気をつけるべき症状と受診のタイミング

早めの受診が必要な症状

重症化を防ぐため、いくつかの症状には特に注意が必要です。38度以上の発熱が続く場合や、顔面の強い痛みや頭痛がある場合は早めの受診が必要です。また、緑色や黄色の鼻水が1週間以上続く場合、目の周りの腫れや痛みがある場合、嗅覚が急激に低下した場合、歯痛や上顎の痛みがある場合も医師による診察が必要です。

長期化を防ぐポイント

症状の長期化や慢性化を防ぐため、症状初期からの適切な湿度管理や十分な休息、水分補給が重要です。規則正しい生活リズムを維持し、定期的な手洗いとうがいを心がけます。アレルギー体質の方は原因となるアレルゲンを避けることも大切です。

自宅でできるケア方法

症状別の対処法

痛みの種類によって最適な対処法が異なります。ズキズキする痛みには冷やす方法が、鈍い痛みや圧迫感には蒸しタオルで温める方法が効果的です。のどの痛みをともなう場合は頻繁なうがいを行い、鼻づまりがひどい場合は入浴時の湯気を利用すると症状が和らぎます。

鼻洗浄の正しい方法

生理食塩水による鼻洗浄は効果的なケア方法です。水1リットルに食塩9グラムを溶かし、体温程度(36度前後)に温めます。洗浄容器に入れ、頭を横に傾けて片方の鼻から静かに流します。もう片方の鼻からも同様に行い、1日2回程度を目安に実施します。

鼻の痛みへの治療法

軽度の痛みの場合

室内の適切な湿度管理と十分な休養で症状は改善します。加湿器で室内の湿度を40~60%に保ち、粘膜の乾燥を防ぎます。生理食塩水による鼻うがいも有効で、水1リットルに食塩9グラムを溶かし、体温程度に温めて使用します。外出時はマスクを着用し、帰宅後は手洗いとうがいを行います。

中程度の痛みの場合

医療機関を受診し、原因別の治療を始めます。当院の耳鼻咽喉科では、急性副鼻腔炎には2週間程度の抗菌薬治療を行い、症状が3カ月以上続く慢性副鼻腔炎には、炎症を抑えるマクロライド系抗菌薬の少量投与や鼻洗浄で膿を除去します。アレルギー性鼻炎には抗アレルギー薬や点鼻薬で対応し、必要に応じて舌下免疫療法も実施しています。

重度の痛みの場合

高熱や激しい頭痛、黄色や緑色の鼻水が続く場合は、すぐに医療機関を受診します。当院では副鼻腔炎の診断から治療まで一貫して対応し、必要に応じて内視鏡手術も検討します。また、重症のアレルギー性鼻炎に対しては、舌下免疫療法などの専門的治療も行っています。

鼻の痛みと症状が似ている主な病気

  • ・上顎洞炎
  • ・前頭洞炎
  • ・急性鼻炎
  • ・アレルギー性鼻炎
  • ・副鼻腔真菌症
  • ・歯性上顎洞炎(むし歯や歯周病が原因)
  • ・鼻粘膜接触点頭痛

対象の診療科

医科のお悩みから探すMedical chief complaint

歯科のお悩みから探すDental chief complaint

医科の診療から探すMedical chief complaint

歯科の診療から探すDental Clinical Departments