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肝臓が気になる

 

肝臓が気になる原因

沈黙の臓器

肝臓は体内で最も大きな臓器です。体に必要な物質を作ったり分解したりする代謝作用、有害物質を無害化する解毒作用、消化を助ける胆汁の生成と分泌など、生命維持に欠かせない働きを担います。しかし、痛みを感じる神経がなく、また、病気が進行するまで自覚症状が現れにくい特徴があり、「沈黙の臓器」とも呼ばれます。健康診断での早期発見が大切な理由もここにあります。

生活習慣の乱れ

過度な飲酒や不規則な食生活は肝臓に大きな負担をかけます。特に習慣的な飲酒は深刻な影響を及ぼし、アルコール性脂肪肝から肝炎、さらには肝硬変へと進行する場合もあります。1日のアルコール摂取量が純アルコールで男性40g、女性20gを超えると(アルコール20gは、ビール500mlに相当)、肝臓病のリスクが高まります。また肥満や運動不足により中性脂肪が蓄積すると、脂肪肝を引き起こします。食事の偏りや夜更かし、運動不足など、現代の生活習慣は肝臓に負担をかける要因となっています。

環境因子の影響

ストレス過多や睡眠不足は肝機能に影響を与えます。肝臓は体内時計の影響を強く受ける臓器で、不規則な生活リズムは肝機能の低下を招きます。また過度な運動や急激な食事制限も肝臓に負担をかけることがあります。さらに一部の医薬品の長期服用や健康食品の過剰摂取も、肝機能に影響を及ぼす可能性があります。

肝臓病について

肝臓病には、大きく分けて、肝炎、肝硬変、肝がんの3種類があります。

肝炎について

急性肝炎は、急激に肝臓に障害が起こる状態です。原因には、A型肝炎ウイルスやE型肝炎ウイルスなどのウイルス性のもの、薬剤性、自己免疫性などがあります。一方で慢性肝炎は、慢性的に肝臓の細胞が壊れ続ける状態です。B型肝炎ウイルス(HBV)とC型肝炎ウイルス(HCV)は、急性肝炎だけでなく慢性肝炎も引き起こし、多くの慢性肝炎の原因となっています。他には、アルコール性や自己免疫性の慢性肝炎もありますが、最近では、肥満、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が原因で起こる慢性肝炎も増えています。

肝硬変について

慢性肝炎では、肝細胞が破壊され再生される過程が繰り返されるため、徐々に肝臓が線維化し、硬くなります。その結果、肝機能が低下していきます。この状態を肝硬変と呼びます。肝硬変が進行すると、疲れやすくなったり、足がむくんだり、お腹に水がたまって張ったりする症状が現れます。また、皮膚や白目が黄色くなる黄疸や、意識障害が見られることもあります。

肝がんについて

肝がんは大きく分けて、肝臓の細胞ががん化した原発性肝がんと、肝臓以外の臓器にできたがんが肝臓に転移した転移性肝がんに分けられます。原発性肝がんの主な原因には、HBVやHCVの肝臓への持続感染があります。慢性肝炎から肝硬変になって、肝がんが発生することが多いのですが、肝炎がほとんどない状態からも発生することがあります。アルコール性肝障害や、生活習慣病に起因する肝炎からの肝がんも増えています。

肝臓病の症状と特徴

肝臓病は初期の段階ではほとんど症状はみられません。進行してくると、全身のだるさや疲れやすさを感じるようになったり、皮膚や白目が黄色みを帯びる黄疸が生じてきたり、足がむくんだり、お腹が張ってきたりしてきます。手のひらが赤くなる手掌紅斑や、皮膚表面に赤い斑点が現れるクモ状血管腫といった特徴的な症状が見られることもあります。

肝臓が気になる場合の対応

   
 

食生活の改善

日常生活の見直しから始めます。食事では良質なたんぱく質を含む魚類や鶏肉、豆腐を積極的に取り入れ、野菜も十分に摂取します。脂っこい食事や糖質の多い食事は控えめにします。運動は1日30分程度のウォーキングを習慣とし、体力があれば軽い筋力トレーニングも取り入れます。飲酒する場合は純アルコール量を1日20g程度(ビール500ml相当)に抑え、週に3日は休肝日を設けます。

肝臓病の評価

全身のだるさ、黄疸、むくみなどの症状が現れ、肝臓病が疑われる場合には、肝臓の状態を評価するために、血液検査による肝機能検査や肝炎ウイルス感染の有無の確認、腹部超音波検査、CT検査などを行います。そして、原因を特定し、適切な治療を行います。また、肝がんを認めた場合は、適切な専門施設に紹介します。

慢性B型肝炎、慢性C型肝炎

検査の結果、慢性B型肝炎や慢性C型肝炎と診断された場合は、抗ウイルス治療を考慮します。当院は、慢性B型およびC型肝炎治療の専門医療機関となっていますので、抗ウイルス治療を行うことができます。これらの治療は高額ですが、当院では愛知県(岐阜県)への肝炎治療助成金の申請を行うことができますので、患者さんの負担が少なく治療を受けることができます。

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