歯の汚れを取りたい

歯の汚れにはさまざまな種類があります。それぞれの原因を理解することで、適切な対処法を選ぶことができます。

プラーク（歯垢）

プラークは、歯の表面に付着する細菌のかたまりで、白や黄色の粘り気のある沈着物になっています。歯みがきが不十分だったり、間食の頻度が多いような不規則な食生活を送ったりすることで、プラークが蓄積しやすくなります。プラークが蓄積した状態を放置すると、むし歯や歯周病になるリスクが高まります。

歯石

プラークが唾液中のカルシウム成分と結合し、石灰化したものが歯石です。プラークから歯石になるまではおおよそ2週間と言われています。見た目は白に近い色をしていますが、進行した歯周病でみられる歯と歯ぐきの溝の深い部分にできる歯石は黒褐色になります。歯石はプラークと異なり自力で取り除くことが難しく、放置すると歯ぐきの炎症や歯周病の原因となります。

ステイン（着色汚れ）

ステインとは、コーヒー、紅茶、赤ワイン、タバコなどに含まれる色素が歯に付着してできる着色汚れです。歯の表面に付着し、見た目に大きく影響します。蓄積した着色汚れは、歯みがきでは完全に落とせないことがあります。

エナメル質のすり減り

加齢や酸性食品の摂取、歯ぎしりなどによってエナメル質がすり減り、薄くなると、歯が黄色っぽく、汚れたように見えることがあります。しかし、これは汚れではなく、内部の象牙質が透けて見えることによるものです。

歯の汚れを取り除くには、日常のケアと専門的な治療を組み合わせることが重要です。ここでは歯の汚れに対する日常的なケアと専門的なケアをそれぞれご紹介します。

日常的なケア

• ・適切なブラッシングプラーク（歯垢）には、1mgの中に10億以上もの細菌が存在し、これらがむし歯や歯周病を引き起こす原因となっています。むし歯や歯周病を予防するには、毎日の適切なブラッシングで歯の汚れであるプラークをしっかりと取り除くことが重要です。
  歯ブラシは、歯に対して45度の角度であて、1本1本丁寧にみがきましょう。歯と歯の間に付着した汚れは、歯みがきだけでは十分に取り除くことができないため、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して取り除くようにしてください。
• ・マウスウォッシュ毎日のブラッシングとあわせて、マウスウォッシュ（洗口液）を使用すると、効果的に歯の汚れを落とすことができます。また、汚れが付着するのを防止する効果も期待できます。

専門的なケア

• ・歯科医院でのクリーニング（PMTC）PMTC（Professional Mechanical Tooth Cleaning）は、歯科医師や歯科衛生士によって行われる専門的なクリーニングです。専用の器具とフッ化物入り研磨剤を使用し、歯の表面のプラークや着色などの汚れと歯石を徹底的に取り除きます。
  特に、プラークが石灰化した歯石は自分で除去することができないため、歯科医院での専門的なクリーニングが効果的です。
• ・ホワイトニング歯を削らずに薬剤を使用して歯を白くする治療方法で、着色による歯の汚れなどを改善することが期待できます。歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、専用のキットを用いて自宅で行うホームホワイトニングがあります。

歯の汚れを防ぐためには、以下のポイントを日常生活に取り入れることが効果的です。

• ・食生活の見直し歯の着色汚れの原因となる、色素の強い食品や飲みもの（コーヒー、紅茶、カレーなど）の摂取をなるべく控えるようにします。摂取したあとは、すぐに水でうがいをすることも色素の付着を防ぐのに効果的です。
  また、プラークは食べものや飲みものに含まれる糖分を栄養に増殖するため、間食が多い人はプラークが歯に付着しやすくなります。したがって、間食を減らすことがプラークの付着を予防することにつながります。
• ・禁煙するたばこのヤニは頑固な着色汚れの原因となるため、禁煙を検討しましょう。
• ・定期的な歯科受診歯科医院での定期検診は、歯の汚れや口腔内のトラブルを早期に発見し、改善するために重要です。通常は半年に1度程度の受診が推奨されますが、歯石がたまりやすい人などは3ヶ月に1度程度の受診をおすすめします。