歯の色のお悩みDental chief complaint

金属アレルギーがある

歯科治療では、歯科用器具をはじめ、詰めものや被せものなどあらゆる場面で金属が使用されています。金属アレルギーをお持ちの方は、歯科治療によってアレルギー症状が起こらないか不安を感じる方も多く、金属アレルギーの症状は歯科治療後しばらく経って表れることもあります。

金属アレルギーと歯科治療

金属アレルギーとは

金属アレルギーとは、金属に対して免疫が過剰に反応するアレルギー性皮膚炎です。金属のアレルギーの症状は、金属が接触した部分に赤いぶつぶつとした湿疹やただれ、かぶれなどの皮膚症状が生じることが最も多く、かゆみや痛みをともなうこともあります。皮膚症状は接触した部分だけでなく、全身に生じることも珍しくありません。

歯科金属アレルギー

歯科金属アレルギーは、歯科材料に含まれる金属元素の関与が疑われる金属アレルギーの呼称です。口腔内で特定の金属と唾液がまじわると金属のイオン化が生じ、金属が溶け出すことがあり、この溶け出した金属に免疫が過剰に反応すると、アレルギー症状が引き起こされます。

歯科金属アレルギーでは、歯肉や口腔粘膜に発症することは少なく、口腔から離れた部分の皮膚にも湿疹やただれ、かぶれ、水ぶくれ(水疱)などがみられることがあります。

歯科金属アレルギーの診断は難しく、治療をしてもなかなか治らない皮膚炎や粘膜炎があり、その原因が特定できない場合、歯科用金属によるアレルギーが疑われることがあります。近年では、インプラントによるアレルギーの報告も増えており、金属アレルギーへの対応が歯科でも求められています。

歯科治療で使用される金属

歯科治療では、詰め物(インレー)、被せ物(クラウン)、ブリッジ、入れ歯の金属フレームなどさまざまな部分で金属を使用しています。以下は、歯科治療で使用される代表的な金属です。

  • ・ニッケル
    最も金属アレルギーを起こしやすい金属として知られており、歯科では矯正用のワイヤーなどに使用されています
  • ・パラジウム
    ニッケルに次いで金属アレルギーを起こしやすい金属です。歯科治療で使用される銀歯の20%はパラジウムで構成されています
  • ・クロム
    ニッケル、パラジウムに次いで金属アレルギーを引き起こしやすい金属です。歯科では、コバルトクロム合金として、義歯(入れ歯)や矯正用のワイヤーに含まれることがありますが、使用は減少しています
  • ・コバルト
    金属フレームや入れ歯などに使用されています
  • ・チタン
    歯科ではインプラントの治療で使用されることが多く、近年アレルギーの報告が増えている金属です
  • ・銀
    イオン化がしにくい(溶け出しにくい)金属であり、他の金属と比較するとアレルギーを起こしにくいといえます
  • ・金
    イオン化がしにくい(溶けにくい)ため、比較的安全性が高いとされています。

以前は、アレルギーを引き起こしやすい歯科用金属としてニッケルやクロムが注目されていましたが、その後の金銀パラジウム合金やレジンの普及により、ニッケルやクロムの使用は減少しています。一方で、インプラント治療などで使用されるチタンのアレルギー報告が増えています。

金属アレルギーに配慮した歯科治療

金属を使用しない材料の活用

金属アレルギーのリスクを避けるために、以下のような金属以外の材料を選択します。

  • ・レジン(コンポジットレジン)
  • ・セラミック
  • ・ジルコニア
  • ・CAD/CAM冠

樹脂性のプラスチック素材であるレジンは、保険適用されるため治療費用が安く抑えられ、金属アレルギーのある方におすすめの素材です。被せものや詰めものとして使用されるほか、それらを接着する接着剤としても使用されることがあります。

金属アレルギーの方には、セラミックもおすすめです。レジンよりも強度や耐久性も高い素材ですが、自費診療となるため費用は高額になります。セラミックの中でも、とくに強度や耐久性が優れているのがジルコニアで、奥歯など強度が必要となる部分にも使用できることが多いです。

CAD/CAD/CAM冠は、レジンとセラミックの混合素材です。条件によっては保険適用となることもあり、費用が抑えられる可能性があります。

金属アレルギーの方が歯科治療を受ける場合のポイント

初診時に金属アレルギーがあることを担当医に伝えることが重要です。アレルギーの原因となる金属の種類や過去の症状など、詳細な情報を必ず伝えるようにしましょう。事前に皮膚科にてパッチテストを行うことをお勧めします。その際の判定は1週間診てもらうことが重要です。

条件などによっては、金属を使用しない素材を保険適用で使用できる場合があります。歯科医師と相談しながら、金属アレルギーのリスクを避けた最適な治療方法を選択しましょう。

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