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生まれつきの唇の治療を受けたい
赤ちゃんの口がつながっていないように見える状態は、「口唇・口蓋裂」と呼ばれる先天性の疾患です。口唇・口蓋裂は、胎児が母体内で成長する過程で、上くちびるや口の中の天井部分である口蓋(こうがい)が正常に結合しなかった場合に生じます。口唇・口蓋裂は見た目だけでなく、授乳や言語の発達にも影響を与えるため、早期の治療やサポートが必要です。この記事では、口唇・口蓋裂の原因や症状、治療方法などについてくわしく解説しています。
口唇・口蓋裂とは
口唇・口蓋裂は、くちびるや口の中の天井(口蓋)などが生まれつき、つながっていない状態のことをいいます。くちびるのみにみられる場合や、口蓋のみにみられる場合、あるいは両方にみられる場合などさまざまなタイプがあります。日本人の発生頻度は約500人に1人といわれています。
口唇・口蓋裂の原因
口唇・口蓋裂の原因は、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与していると考えられていますが、原因不明な場合が多く、根本的な原因は明らかになっていません。
遺伝的要因
家族に口唇・口蓋裂の人がいる場合は、そうでない場合に比べて、口唇・口蓋裂になるリスクが高いと考えられています。特定の遺伝子の変異が関与している可能性が指摘されていますが、遺伝的要因のみが原因となるわけではなく、複数の遺伝的要因が複雑に関与していると考えられています。
環境的要因
妊娠中の母親の健康状態や生活環境が発症に関わる可能性があるとされています。とくに、以下の要因が指摘されています。
- ・妊娠中の喫煙やアルコール摂取
- ・妊娠中の栄養障害やストレス
- ・妊娠中の薬剤(副腎皮質ステロイド薬、鎮痛剤など)
- ・妊娠中の疾患や治療(風疹、放射線治療など)
口唇・口蓋裂の症状と影響
口唇裂と口蓋裂は、赤ちゃんの見た目だけでなく、食事や発達にも影響を与える可能性があります。
見た目が変化する
くちびるやあごの前方が裂けて見えます。裂け目は片側あるいは両側にあらわれることがあります。
授乳が難しくなる
口唇・口蓋裂の赤ちゃんは吸う力が弱いため、授乳が難しくなる場合が多いです。そのため、哺乳のサポートが必要になります。
言語の発達が遅れる
鼻から音が抜けてしまうため発音が不明瞭になることがあります。
耳の感染症のリスクが高まる
耳と鼻の通気が悪くなることで、中耳炎になるリスクが高まります。
口唇・口蓋裂の治療方法
口唇・口蓋裂は、外科的手術が行われることが一般的です。外科的手術に加えて、言語療法や歯科矯正などが実施されます。
外科的手術
つながっていないくちびるを縫合する手術や、口蓋(口の中の天井部分)を修復する手術が行われます。通常、口唇裂の手術は生後3〜6ヶ月ごろに行われ、口蓋裂の手術は言葉を覚えはじめる1歳前後に行われることが多くなります。外科的手術により、見た目の回復や言語障害の予防・改善が期待できます。
歯科治療(矯正治療・補綴治療)
口唇・口蓋裂があると、歯が生えてこないことがあり、歯並びや噛み合わせも乱れることが多いため、多くの場合で矯正治療が必要となります。歯が生えてこない、歯の形成が不十分である場合、インプラントなどの人工的に歯を補う治療(補綴治療)が必要となることもあります。矯正治療は、乳歯が永久歯に生え変わるころくらいから開始されることが一般的です。
言語療法
口唇・口蓋裂は言語の発達に影響を及ぼすため、言語聴覚士によるサポートが行われます。発語が不明瞭な場合は、適切なトレーニングを受けることが大切です。
心理的サポート
見た目の変化によって、赤ちゃんが成長していく中で心理的な負担がかかることもあります。臨床心理士が加わり、ご家族やお子さまを適切にサポートします。
受診のタイミング
赤ちゃんの口唇・口蓋裂は、出生後すぐに診断されることが多いです。出産直後に医師から説明が行われ、治療計画が立てられます。必要に応じて、小児歯科、矯正歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科などの専門医が連携して治療を行います。
妊娠中のエコー検査で口唇・口蓋裂が疑われた場合は、出産前から専門医と相談し、出生後の治療スケジュールを把握しておくと安心です。
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