かみ合わせが気になる

かみ合わせが気になる原因は、日常の生活習慣から生まれるものもあれば、歯並びの乱れなど生まれつきのものもあります。

歯並びの乱れ

歯並びが乱れていると、上下の歯が正しくかみ合わず、特定の歯やあごに過剰な力がかかります。これにより、歯のすり減りが生じたり、あごの関節にかかる負担が大きくなったりします。

むし歯や歯周病

むし歯や歯周病も、かみ合わせに影響を与えます。むし歯の進行によって歯が溶かされると形が変わることがあり、歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が溶かされ、歯がぐらつくことがあります。こうした状況下では、上下の歯が正しく噛みあわず、かみ合わせが悪くなることがあります。

歯の欠損や歯の治療後の変化

抜けた歯を放置したままだと噛み合わせのバランスが崩れる可能性があります。また、むし歯などの治療を行った際に、詰めものやかぶせものの高さが合っていない場合も、噛み合わせに違和感を生じます。

歯ぎしりや食いしばりのくせ

無意識のうちに行っている歯ぎしりや食いしばりは、噛み合わせにも影響を与えます。歯ぎしりや食いしばりは歯がすり減るだけでなく、あごの関節を傷め顎関節症の原因にもなります。

あごの成長の変化

成長期の子どもでは、上下のあごの成長バランスが崩れることがあります。これがかみ合わせが不良となる原因になり、矯正治療が必要になるケースもあります。矯正歯科へご相談ください。

かみ合わせが気になるときに生じる主な症状は、以下の通りです。

あごが痛み、音がする

あごを動かすと「カクカク」や「ガクガク」といった音が鳴る場合、顎関節症になっている可能性があります。噛み合わせが悪いと、あごの関節に無理な力が加わり、痛みが生じます。

歯の摩耗や欠けが生じる

噛み合わせが悪いことで、特定の歯だけが極端にすり減ったり、歯が欠けたり割れたりすることがあります。

歯ぐきの炎症や歯周病の進行

かみ合わせが悪く、一部の歯に過剰な力がかかると、歯ぐきにも負担がかかります。歯ぐきは歯を支える重要な組織であるため、歯ぐきが痛むと歯周病が悪化する可能性もあります。

かみ合わせが気になる場合、原因に応じた治療が行われます。主な治療法は以下の通りです。

矯正治療

歯並びの乱れが原因で噛み合わせが悪くなっている場合、矯正治療が行われます。小児期の場合は、取り外し可能な装置や固定式の装置を使用します。一方、大人から始める場合は、ワイヤー矯正（ブラケット矯正）が行われることが一般的です。歯並びを整えることで、かみ合わせが正しくなります。

被せものや詰めものの調整

詰め物やかぶせ物が高すぎる、あるいは低すぎる場合、高さを合わせる調整が必要になります。歯科医院では、咬合紙とよばれるフィルムを使ってかみ合わせを確認し、適切な高さに修正しています。

歯ぎしりや食いしばりの治療

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合、専用のマウスピースで治療を行います。歯ぎしりや食いしばりを治すことで歯への負担が軽減し、あごの筋肉にかかる負担も減ります。

インプラント、ブリッジ、入れ歯

歯の欠損が原因の噛み合わせ不良では、インプラントやブリッジ、入れ歯などにより、失われた歯を補います。歯が失われたままだと噛み合わせが乱れ続けるため、なるべく早いうちに歯を補う治療をすることが重要です。

顎関節症の治療

顎関節症の一般的な治療はアプライアンス（マウスピース）による治療です。就寝中にマウスピースを使用することで、顎関節や筋肉への負担を改善します。手術によって外科的に顎関節を治療する方法もありますが、非常に稀なケースです。