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手術で顎の一部を取った

あごの骨の腫瘍や外傷、感染症、顎の変形などの治療により、あごの骨の一部を手術で切除することがあります。手術であごの一部を取った場合、見た目や機能面で問題が生じる可能性があり、このようなケースでは、機能面や審美面を回復するために「顎骨再建」という治療が行われることがあります。顎骨再建は、生活の質を維持するための重要な治療です。顎骨再建について解説しています。

あごの一部を取る手術が必要になるケース

あごの一部を切除する手術が行われる主な理由は、腫瘍、外傷、感染症などです。

あごの骨の腫瘍

顎骨腫瘍は、あごの骨に発生する腫瘍です。良性腫瘍の場合、基本的にはゆっくりと成長しますが、周囲の歯やあごの形に影響を与えることがあるため、早期の治療が推奨されます。 一方で、悪性腫瘍(がん)の場合は、進行が早く、骨だけでなく周囲の軟組織にも浸潤するため、早期発見と外科的切除が重要です。腫瘍の種類に応じて、あごの切除範囲は部分的な場合から広範囲の切除が必要になる場合までさまざまです。

あごの骨の外傷

交通事故やスポーツ中の衝突、転倒などによってあごの骨が骨折することがあります。外傷の程度が重い場合は、損傷した部分を取り除き、チタンプレートやワイヤーなどの固定具で骨を再建することがあります。

あごの骨の感染症(骨髄炎)

あごの骨に細菌が感染して炎症を起こす骨髄炎は、適切な治療を受けなければ、顎骨の一部を切除しなければならない事態に陥る可能性があります。抗生物質の投与だけでは治療が困難な場合、感染部位を外科的に切除する必要があります。

あごの骨の変形(顎変形症)

あごの形や大きさ、位置などの異常により、あごの骨に重度な変形がみられる場合、噛み合わせや見た目に影響を与えるため、あごの骨を一部切除して形を整える手術が行われることがあります。

顎骨再建とは

顎骨再建とは、腫瘍の切除や外傷、感染症などによって失われたあごの骨を再建する外科的な手術です。失われたあごの機能と見た目を回復させることを目的とし、生活の質の向上を目指します。顎骨再建には、自家骨(自分の骨)を移植する方法や、人工の補填材料を用いる方法など、さまざまな治療法があります。

顎骨再建の方法

顎骨再建は、あごの骨の状態や再建する部位の大きさ、全身状態などに応じて、さまざまな方法が選択されます。

自家骨移植

自家骨移植とは、自分の骨盤(腸骨)、下肢(腓骨)、下顎(下顎骨)から骨を採取し、あごの欠損部分に移植する方法です。骨盤からの移植は、骨量が豊富なため大きな再建が可能ですが、採取部位に痛みが生じることがあります。下顎骨は口腔内からの採取であるため、皮膚を傷つけることはありませんが、採取では骨に限りがあり、人工骨と併用して使用されることもあります。
腓骨(ひこつ)は足の外側にある細い骨で、移植用の骨として使用されることがしばしばあります。腓骨自体がもともと歩行機能には大きな影響を与えないため、腓骨の一部を切除して顎に移植する方法では、生活に支障をきたすリスクが低いというメリットがあります。

人工骨の使用

顎骨再建では、人工骨(ハイドロキシアパタイトなど)を用いる方法もあります。自家骨移植と異なり、体から骨を採取する必要がないため、体の負担が軽減できるというメリットがあります。ただし、広範囲の骨の欠損には適さない場合があります。

金属プレートの使用

切除後のあごの形状を維持するために、チタン製のプレートやスクリューを用いて再建する方法もあります。金属プレートを使用した顎骨の再建は、骨の再建が難しい場合に用いられます。プレートの形状は患者ごとにカスタマイズされ、最適な形状に加工されたものが用いられます。

手術であごの骨の一部を取った場合のリハビリなど

あごの一部を取ったあとは、口腔の機能や見た目を回復・維持するために、リハビリを行うことが重要です。

咀しゃく機能の回復

あごの一部が失われると、噛む力が弱まる可能性があります。そのため、摂食(食べること)・嚥下(飲み込むこと)のリハビリが行われます。

言語・口腔機能の改善

あごの骨の一部を切除した場合、発音が不明瞭になることがあります。また、欠損部を考慮した舌や口唇の機能トレーニングが必要な場合があります。このような場合は、言語聴覚士が協力して、発音や口腔の各種機能のトレーニングなどが行われます。

精神的なケア

あごの骨を切除すると外見が変化することが多く、審美面(見た目)で心理的な負担が生じる場合があります。カウンセリングなどの適切な精神的ケアを通じて心理的負担を軽減し、生活の質を向上・維持させる取り組みが行われます。当院では、国家資格である公認心理士と言語聴覚士の両方の資格を有するスタッフによりカウンセリングを受けることが可能です。

対象の治療方法

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