糖尿病内科のお悩みMedical chief complaint

口やのどが渇く

口やのどが渇いてしまう原因

唾液腺の機能低下と加齢による影響

人の体は1日に1~1.5リットルの唾液を分泌し、食べかすを洗い流しながら細菌の繁殖を防いでいます。唾液には自浄作用、消化作用、抗菌作用、粘膜保護作用があり、口内環境を健康に保つ重要な役割を担っています。加齢と共に唾液腺の機能が低下すると、分泌量が減少し口やのどの渇きが生じます。高齢者では特に夜間の口の渇きが顕著になり、睡眠の質にも影響を与えることがあります。

薬の副作用による影響

多くの薬が唾液の分泌を抑制する副作用を持っています。特に高血圧薬、アレルギー薬、抗うつ薬、鎮痛剤などが該当します。これらの薬は口の中の粘膜に直接作用したり、自律神経系に影響を与えたりすることで唾液の分泌を減少させます。複数の薬を組み合わせて服用すると、口の渇きがより強く現れることもあります。医師による薬の種類や量の調整で症状が改善する場合もあるため、一人で判断せず、必ず相談することが大切です。

生活習慣とストレスの影響

現代社会では、エアコンや暖房による室内の乾燥、長時間のデスクワーク、不規則な生活習慣などが口の渇きを引き起こす要因となっています。特に鼻づまりなどによる口呼吸が続くと、口腔内の水分が急速に失われます。また、仕事や人間関係によるストレスは自律神経系に影響を与え、唾液の分泌を抑制します。過度の喫煙やアルコール摂取も口腔内を乾燥させる原因となります。

基礎疾患による影響

様々な病気が口の渇きを引き起こします。代表的な病気である糖尿病では、血糖値の上昇により尿量が増加し、体の水分が失われることで口渇が生じます。自己免疫疾患のシェーグレン症候群では、唾液腺と涙腺が徐々に機能を失い、重度の乾燥症状を引き起こします。また、腎臓病や甲状腺機能亢進症なども口渇の原因となることがあります。これらの病気では早期発見と適切な治療が重要です。

口やのどの渇きの症状と特徴

初期症状

喉の渇きを頻繁に感じることから始まります。口の中がネバネバし、水を多く飲むようになります。この段階で対処することで、症状の進行を防ぐことができます。

進行期の症状

話しにくさや飲み込みにくさが現れます。味覚の変化を感じたり、口の中や舌が痛んだり、ヒリヒリしたりします。口臭が気になり始め、唇が切れやすくなります。入れ歯を使用している方は、合わなくなることもあります。

重症期の症状

食事の際にむせやすくなり、夜間の口の渇きで睡眠が妨げられます。会話が困難になるほど症状が進行し、口腔内の感染症にかかりやすくなります。また、唾液の減少により、むし歯や歯周病のリスクが著しく高まります。

口やのどが渇く際の対処法

軽い症状の場合

初期段階では、生活習慣の改善と適切な水分補給が重要です。室温20~25度、湿度60%を目安に環境を整えます。水分は一度に大量に取るのではなく、こまめに補給します。食事は一口30回を目安によく噛み、唾液の分泌を促します。加湿器の使用も効果的で、特に就寝時の使用が推奨されます。口呼吸が習慣化している場合は、耳鼻咽喉科での診察も検討します。また、過度の喫煙やアルコール摂取は控えめにすることで、症状の改善が期待できます。

中程度の場合

症状が持続する場合は、専門的なケアが必要となります。歯科医院で処方される保湿ジェルや人工唾液で口腔内を潤します。唾液腺マッサージも効果的で、両手の指先で耳の前と顎の下を1日3回、各5分程度やさしくマッサージします。夜間の症状が強い場合は、保湿用マウスピースの使用も検討します。また、カフェインの過剰摂取を避け、刺激物の摂取も控えめにします。症状によっては、歯科での専門的なクリーニングや保湿剤の処方も行います。

重い症状の場合

口の渇きが3カ月以上続く、食事が飲み込みづらい、会話がしづらいなどの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診します。当院では血液検査や尿検査などの一般検査に加え、糖尿病が疑われる場合は、HbA1c測定やブドウ糖負荷試験なども実施します。必要に応じて唾液分泌量検査や唾液腺の画像検査も行います。原因となる病気が見つかった場合は、各専門科と連携して総合的な治療を行います。糖尿病と診断された場合は、糖尿病専門医による適切な血糖コントロールと、管理栄養士による食事指導を組み合わせた治療を実施します。

口の渇きと症状が似ている主な病気

  • ・糖尿病
  • ・シェーグレン症候群
  • ・更年期障害
  • ・鉄欠乏性貧血
  • ・甲状腺機能亢進症

早期発見のポイント

以下の症状が見られる場合は、早めの受診が推奨されます。

  • ・3ヶ月以上続く口の渇き
  • ・水を飲んでも潤わない持続的な渇き感
  • ・夜間に喉の渇きで目が覚める
  • ・食事の際に食べ物が飲み込みにくい
  • ・会話中に頻繁に水分を取る必要がある
  • ・唾液が泡立ちやすい、ネバネバする
  • ・口臭の悪化や味覚の変化
  • ・歯ぐきの腫れや出血の増加

対象の診療科

糖尿病

糖尿病とは

糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れる糖分(血糖)が慢性的に高くなる病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。糖尿病には大きく2つに分類されます。(1型糖尿病・2型糖尿病)

血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡などをおこすことがあります。

糖尿病の症状

血糖値が少し高い程度では自覚症状はありません。放置すると、10年程度で血管障害や心臓・脳の病気を引き起こす危険性が高まります。

血糖値が300mg/dl以上になると、喉が渇き、水をよく飲む、尿の回数が増える、体重が減る、疲れやすくなるなどの症状が出現し、より血糖が高くなると意識障害などを引き起こします。

当院外来治療の特徴

当院の糖尿病外来では、糖尿病患者さまに対して、専門的な診療・治療を提供し、血糖コントロールの改善や合併症の予防に取り組んでいます。糖尿病は早期に適切な管理を行うことで、合併症のリスクを大幅に軽減できる病気です。当院では、患者さま一人ひとりに合った治療法を提供し、健康的な生活をサポートします。

こんな方はご相談ください

  • ・すでに糖尿病と診断された方。
  • ・血糖値が高めで、糖尿病予備群と言われた方。
  • ・血糖値の管理がうまくいかない方。
  • ・合併症(目、腎臓、神経)の兆候が心配な方。
  • ・健康診断で糖尿病やそのリスクが指摘された方。

診療内容
各種検査

  • ・採血検査(血糖値・HbA1c・腎機能・電解質・インスリン分泌能・中性脂肪・コレステロール等)
  • ・尿検査(尿糖・尿蛋白等)
  • ・ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖を摂取し、血糖値の変動を確認)
  • ・持続血糖モニター(24時間の血糖値変動を継続的に測定)
  • ・インスリン療法・経口血糖降下薬の処方
  • ・食事指導
  • ・運動療法のアドバイス
  • ・合併症の予防・早期発見(腎臓・神経など)

専門外来は紹介状がなくても電話予約で受診可能です。糖尿病専門医が診療を行い、食事療法、運動療法も含めて、それぞれの専門家がチームを組んで総合的な糖尿病治療を提供します。

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