耳鼻咽喉科のお悩みMedical chief complaint

のどが痛い

 

のどが痛くなる原因

     

ウイルス性の感染

風邪ウイルスが主な原因となり、のどの粘膜が赤く腫れて痛みを引き起こします。多くは発熱や鼻水もともないます。若い成人や子どもの場合、エプスタイン-バーウイルスによる伝染性単核球症も痛みの原因になります。感染から症状が現れるまでは1〜3日かかり、のどの粘膜が傷ついた状態が続くと細菌にも感染しやすくなります。

細菌性の感染

溶連菌などの細菌によって引き起こされる感染です。扁桃(へんとう)に白い膿(うみ)が付着し、高熱と強い痛みが特徴です。細菌性の感染は成人では10人に1人、小児ではやや多く見られますが、2歳未満の小児では比較的まれです。治療せずに放置すると、扁桃周囲に膿瘍(のうよう)を形成し、重症化する場合があります。

アレルギーや環境要因

花粉などの季節性アレルギーや室内の乾燥により、のどに炎症が起きます。また、喫煙、大声、胃から食道への酸の逆流も軽い痛みを引き起こします。特に冬場は室内の乾燥が強く、のどの粘膜が弱まりやすい時期です。禁煙外来で禁煙に取り組むことで、喫煙による刺激を防げます。

のどの防御機能について

のどには病原体の侵入を防ぐ重要な防御機能があります。扁桃は免疫システムの一部として働き、のどの粘膜には線毛と呼ばれる小さな毛が密集しています。線毛はホコリやウイルス、細菌を外へ押し出すフィルターの役割を担います。寒さで血管が縮むと線毛の動きが鈍くなり、室内の湿度が40%以下になると、線毛の働きが弱まります。

のどが痛い際の治療法

軽い症状の場合

温かい塩水でうがいをし、水分を十分に補給します。市販ののど用トローチやスプレーで痛みを和らげ、部屋の湿度を40〜60%に保ちながら十分な休養を取ります。入浴は体力の消耗を防ぐため、ぬるめのお湯に短時間つかるのが望ましいです。

中程度の症状の場合

内科や耳鼻咽喉科を受診します。医師は症状や病歴を確認し、必要な検査を行って原因を特定します。当院では必要に応じて各種血液検査や尿検査を実施し、適切な治療方針を立てます。細菌感染と診断された場合は抗菌薬を処方します。体のだるさが強く、食欲が落ちている場合も受診が望ましい状態です。症状は5〜7日程度で改善が期待できます。

重い症状の場合

息苦しさや呼吸時のヒューヒュー音、激しい痛みがある場合は直ちに受診します。特に小児で呼吸が困難な様子が見られる場合は緊急性が高く、すぐに医療機関を受診します。38度以上の熱が3日以上続く場合や、症状が日に日に悪化する場合も早めの受診が必要です。15歳以下の小児は小児科での診察も可能です

診察・検査について

医師は問診で症状の経過や程度を確認し、のどの観察を行います。必要に応じて以下の検査を実施します。

  • ・のどの粘膜から検体を採取する培養検査
  • ・溶連菌の有無を調べる迅速検査
  • ・血液検査
  • ・必要な場合は喉頭ファイバースコープ検査

これらの検査結果に基づき、適切な治療方針を決定します。

予防と注意点

基本的な予防策として、以下の点に気をつけます。

  • ・手洗いとうがいを習慣化し、外出後は特に丁寧に行う
  • ・のどの粘膜を保護するため、適切な湿度管理(40~60%)を保つ
  • ・十分な水分補給を心がける
  • ・睡眠不足や疲労の蓄積は免疫力を低下させるため、規則正しい生活を送る
  • ・バランスの良い食事で免疫力を維持する
  • ・マスクの着用で寒気や乾燥からのどを保護する
  • ・喫煙者は禁煙を検討する
  • ・大声を出すことを控え、のどに負担をかけない

これらの予防策を日常的に実践することで、のどの痛みの発症リスクを低減します。特に気温の変化が大きい季節や、乾燥しやすい冬場は注意が必要です。

 

症状が似ている主な病気

  • ・扁桃炎
  • ・咽頭炎
  • ・喉頭炎
  • ・伝染性単核球症
  • ・溶連菌感染症

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